アトピーと肥満の関係
1. 炎症反応の増強
- 肥満では脂肪細胞が増えることで 慢性的な炎症(低度炎症) が起こります。
- 脂肪細胞からは 炎症性サイトカイン(TNF-α、IL-6 など) が分泌され、全身性の炎症が強まり、アトピーの炎症も悪化しやすくなります。
2. 皮膚バリア機能の低下
- 肥満に伴う インスリン抵抗性やホルモン異常 が皮膚のターンオーバーや保湿機能に影響を与える可能性があります。
- 汗をかきやすく蒸れやすいため、皮膚炎が悪化しやすい部位(首・関節など)が増えます。
3. 免疫系の偏り
- 肥満は Th2型免疫反応(アトピーに関係するタイプ) を促進する傾向があり、かゆみや湿疹を強めると報告されています。
4. 内臓脂肪とアレルギー疾患のリスク
- 小児や成人を対象とした疫学研究で、肥満の人はアトピー性皮膚炎や喘息を発症・重症化しやすい というデータが多数あります。
逆の関係(アトピー → 肥満)
- かゆみや見た目の問題で 運動を避ける 傾向 → 消費カロリーが減る。
- ステロイド外用薬や内服薬の副作用で体重増加する場合もある。
- 睡眠障害(かゆみで眠れない)→ホルモンバランスの乱れ → 太りやすくなる。
改善のヒント
- 適度な運動:汗のケアをしながらウォーキングやストレッチ。
- 食生活の調整:高脂肪食は炎症を悪化させやすいので、野菜・魚・大豆などを増やす。
- 睡眠の質改善:体内リズムを整えることが肥満と炎症両方に有効。
食事の工夫
- 血糖値をゆるやかに上げる食事
- 白米 → 雑穀米・オートミール
- 菓子パン・ジュースは控える
→ 急な血糖上昇はインスリン分泌を増やし、脂肪蓄積や炎症を悪化させやすいです。
- 抗炎症作用のある食品を取り入れる
- 青魚(サバ・イワシ・サンマ)→ オメガ3脂肪酸
- 野菜・果物 → ポリフェノール・ビタミンC
- 大豆製品・ナッツ → 良質なたんぱく質・脂質
- 加工食品・高脂肪食を減らす
- 揚げ物・スナック菓子・ファストフードは炎症性サイトカインを増やしやすい。
- 水分補給は水・麦茶が基本
- 糖分入り飲料は肥満と炎症の両方に悪影響。

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